「家族がいないので、将来の生活や、亡くなった後の手続きが心配」というご相談を、後見のご相談とあわせていただくことがあります。2026年、こうした不安に応える新しい公的な仕組みが法律で定められました。成年後見制度との違いを整理してご説明します。
何が決まったのか
社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)が成立しました。この改正の柱の一つが、「頼れる身寄りがいない高齢者等への支援の充実」です。
これまで、判断能力が不十分な方向けの「福祉サービス利用援助事業」がありましたが、改正後は対象を頼れる身寄りがいない高齢者等にも広げ、名称も「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」に改められます。あわせて、次の3つの支援が第二種社会福祉事業として法律上に位置づけられます。
| 支援の内容 | 具体例 |
| 日常生活支援 | 福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、重要書類の預かり |
| 入院・入所の手続き支援 | 病院・介護施設の入院入所手続き、緊急連絡先の提供、費用の支払代行 |
| 死後事務支援 | 葬儀・納骨に関する契約手続き、家財処分、行政への届出等 |
実施主体は、各都道府県の社会福祉協議会(社協)に取り組みが義務付けられ、市区町村社協・社会福祉法人が連携して担うことが想定されています。資力の要件(収入や資産が一定水準以下であること)に該当する方は、無料または低額でこれらの支援を受けられます。
いつから始まるか
死後事務支援を含む新事業は、法律の公布後2年以内に政令で定める日から施行されます。その他の見直し事項は原則として令和9年4月1日の施行です。全国的な体制整備には準備期間が必要になる見込みです。
成年後見制度との違い
このたび法律上に位置づけられた支援は、あくまで契約にもとづく援助です。ご本人と社協等との合意にもとづいて、日常生活支援・手続き支援・死後事務支援を行うものであり、法律行為を代理したり、ご本人に不利な契約を取り消したりする権限は持ちません。
一方、成年後見制度は、判断能力が不十分になった方について、家庭裁判所が選任した後見人等が、財産管理や契約の代理・取消しまで含めて法的に支援する制度です。
- 判断能力があり、日常生活の支援・入院手続き・死後の備えが必要な段階 → 社協等による支援(資力要件による)や、民間の身元保証・終身サポート事業
- 判断能力が低下し、財産管理や契約の代理が必要な段階 → 成年後見制度
両者は対象にする段階が異なるため、状況によって使い分け、あるいは組み合わせることになります。どちらが必要か、あるいはまだ先の話でよいかは、ご本人の判断能力の状況や資力によって変わりますので、迷ったときはご相談ください。
当法人でご案内できること
司法書士法人LSRコンサルティングの法人後見センターでは、成年後見(法定後見・任意後見)に関するご相談・申立書作成・後見人等への就任を承っています。社会福祉協議会による支援や民間の身元保証・終身サポート事業(一般社団法人いきいきライフ協会奈良・新宿)とあわせて、どの制度が今の状況に合うかを整理してご案内します。
まとめ
- 2026年、社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)が成立し、頼れる身寄りがいない高齢者への支援が第二種社会福祉事業として位置づけられます
- 日常生活支援・入院入所手続き支援・死後事務支援を、資力要件に該当する方は無料または低額で受けられます
- 死後事務支援を含む新事業の施行は法律公布後2年以内(政令で定める日)
- この支援は契約にもとづく援助であり、判断能力が低下した場合の法律行為の代理・取消しは成年後見制度が担います
ご相談ください
将来の備えについて、成年後見が必要か、他の制度で足りるかを含めて、まずはお気軽にご相談ください。
初回相談は無料です。
ご予約:0120-324-575(受付時間 平日9:00〜18:00/土日祝はご相談ください)